結婚指輪って?私は思わずMに聞きなおしました。私は東京在住の大学生。Mは私の高校時代からの親友です。Mが突然「結婚指輪を選びたいから付き合って」と携帯に電話をしてきたのです。「ええ〜結婚指輪?」私は驚いたのなんのって、腰が抜けそうでしたよ。
結婚指輪を選びたいというMは、私と同じ歳だから21歳。彼がいることはもちろん知っていましたが、どうして急に結婚することになったのでしょう?Mだって某大学の3年生なのですから、大学を卒業するまで彼が待ってくれるといいのに。どうしてMが急に結婚することになったのか、どうして結婚指輪が必要なのか、私は不可解なままMと待ち合わせをしました。
結婚指輪を私に選んで欲しいと言うMは、待ち合わせに10分遅刻して現れました。いつもながらのんきそうなMで、これといって変わった様子もありません。「M、どうしたのよう?いきなり結婚指輪なんて」会うなり質問攻めにする私を制してMは「まあ、ゆっくり話すからさ、ランチしよう」食い気が多いところも変わっていません。でも何となくきれいになったような気がする。私がバイトで忙しい思いをしている間に何があったのだろう。私は早くMから話しが聞きたくて、Mの手を引っ張り早足に歩き出しました。
結婚指輪は後回しにしてランチから食べることになった私たちは、行きつけのレストランに飛び込むように入ると、空いてるいすに滑り込みました。近寄って来る店員に「日替わり2つ」それだけ言うと、私はMをまっすぐに見て、「どうぞ」と話を催促しました。「もう、Kったら、相変わらずせっかちだね。まあ、突然だったから驚いただろうけど。実はさ、彼がアメリカに転勤になっちゃったの。だから結婚して私もついて行くの」「ええ〜!大学は?そんなに急いで結婚しなきゃヤバイわけ?」
結婚指輪を買うって言うから、多分Mが結婚するのだろうと思ってはいましたが、実際にMから結婚するって言われて、私はやっぱり驚きを隠せませんでした。私の友達が結婚するなんて、生まれて初めてのことなのですから、それもまだ大学生で21歳なのに!パニックになっている私にMは「大学は編入試験を受けた。あっちの大学を卒業するよ。まあ、留学すると思えばいいじゃん。だって、彼がいつ戻ってこれるか分からないって言うし、親もついて行っちゃえばって言うから。彼を逃したら、私にお婿は来ないと思ってるみたいよ」と明るく言いました。